前回、【「早すぎる」タイミングが承継のタイミング?】でご案内をさせていただいた事例の続きです。創業40年・面応需で、売上にして1.5億を超える薬局に育てられた薬局社長は、自身の引退を考えられた際、どのような方に、どのような形で薬局を譲られることになったのでしょうか。
買手探し行う際に社長が一番におっしゃったのが、すでに大きな法人ではなく、これから薬局を開業されたい、個人の方にお譲りしたい、ということです。
社長も、20代のころ、ゼロから薬局をスタートされ、こつこつと薬局を育ててこられました。
そのような経験から、同じように、薬局開業を志されている方を応援したい、という気持ちがあったようです。
また通常、譲渡となると、一定の引継ぎ期間は設けるものの、その期間は、承継月前月の数日~数週間と、比較的短い期間です。
そんな中、今回社長は、いきなり新しい経営者に変わると患者様が離れてしまうので、数年は、店舗に入りながら、買手薬剤師をフォローしたい、というお話をされました。
譲渡して終わり、ではなく、「大切に育ててきた薬局の患者様を減らしたくない」、「次の方が軌道に乗るまで見届けたい」というのが社長の想いでした。
さっそく買手探しを始めたところ、個人、法人問わず、多くの手が挙がりました。
立地もよく、面応需でバランスよく処方を受けている優良店舗だったため、地場の中堅法人で、譲りうけにあたり、高めの譲渡対価で提示くださった先もありました。
しかし社長としては、譲渡対価の高さより、個人の方に末永く勤務してほしい、という想いが強く、数年前より開業を志し、準備をされていた一薬剤師の方に、薬局を譲ることを決められました。
個人の方ですと、貯金や借り入れを含めても、体力のある法人に比べると、初期投資として可能な額は少々少なくなってしまいます。
しかし、それよりも「個人への承継」という部分を優先させた、とお話くださりました。
じつはこのA薬局様のお話ですが、現在、社長、買手様ともに承継に向けて前向きに進めている段階で、実際の承継は、夏頃になる予定です。
現在は、買手の薬剤師の方が、現職のお休みの日に少しずつ店舗に入られ、引継ぎを行っているのですが、お二方の医療および薬局経営に対するお考えは共感できることが多いようで、とてもよい形で進んでいます。
また、社長の趣味はアウトドアとのことですが、これまでは、薬局運営を優先され、ほとんど3日以上のお休みを取れていませんでした。
そのため、夏に薬局をお譲りになられた後は、泊まりで旅行に出かけ、山登りをするのが楽しみ!と、いまから楽しそうにお話をいただいています。
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