2018年薬価改定と流通改善ガイドライン

2018-06-05

厚生労働省は5月30日の「医療用医薬品の流通改善に関する懇談会」で、医療用医薬品メーカー19社を対象に、2018年度の仕切り価設定に関しての調査結果を明らかにしました。切り離して考えられない、薬価改定と流通改善ガイドラインについて現状を見ていきましょう。

2018年薬価改定と流通改善ガイドライン

仕切価設定等に関する緊急調査結果が発表

流通改善ガイドライン(GL)が4月に施行されて以降、初めての厚労省の「医療用医薬品の流通改善に関する懇談会」(流改懇)が5月30日、東京都内で開かれました。厚労省は、新薬メーカー16社、後発医薬品メーカー3社を対象に行った「仕切価設定等に関する緊急調査結果(暫定版)」を報告しています。
この調査は比較的規模の大きい企業を対象に、製品カテゴリー別に4月時点と前年度との仕切価率の変化を調べたものです。

仕切価設定等に関する緊急調査結果(暫定版)

▽新薬創出等加算品:「増6社」「変動なし10社」「減0社」
▽特許品:「増4社」「変動なし12社」「減0社」
▽長期収載品:「増4社」「変動なし10社」「減3社」
▽後発医薬品:「増7社」「変動なし7社」「減0社」
▽その他(後発品がない製品等):「増5社」「変動なし12社」「減0社」

仕切価率の増(上昇)も散見されることから川下ではより厳しい状況での交渉が予測されます。

メーカーと卸の見解とそれぞれの主張は?

厚労省は、一次売差マイナスの解消に向け、仕切価・割戻し等、納入価の水準の動向について、調査対象を拡大して実態把握を進め、GLに沿った取り組みが促される方針です。

日本医薬品卸売業連合会は、一次売差マイナスの解消には「適切な一次仕切価の提示に基づく最終原価の設定が必要」とメーカー側に対して訴え、川下に対しては、単品単価契約を進めるための覚書締結の推進、医薬品価値、流通コストを無視した交渉の改善のほか、仕切価を踏まえた価格交渉を取引先の理解を得て進めると表明しました。

日本製薬工業協会の立場からは、単品単価契約を推進するため仕切価・割戻・アローアンスの早期提示、市場実勢価を踏まえた最終原価の設定と取引卸への速やかな連絡を行うことを促してきたことを強調し、薬価制度改革や予定される毎年改定で事業環境は厳しく「最終原価は引き上げざるを得ないと思っている」と述べ、卸側に理解を求めました。

流通改善ガイドラインによる影響

そもそも、流通改善ガイドラインは何のためにできたのか・・・。
医療機関や薬局は、仕入れ値(納入価)を可能な限り下げ、公的価格である薬価との差益で利益を得ようとします。一方、メーカーは卸への販売価格(仕切価)を高く設定します。納入価の下落は、そのまま薬価の引き下げにつながるため、なるべく薬価に近い価格で医薬品を売ろうとします。医療機関・薬局と、メーカーの間に挟まれ、医薬品卸は低収益にあえいでいます。大手卸の営業利益率(医薬品卸売事業)は1%を下回る年も珍しくありません。

このような背景から、納入価が仕切価を下回る「一次売差マイナス」となり、医薬品流通の大きな課題であることは間違いありません。このような問題を改善するために、流通改善に関するガイドラインが作られたのです。

流通改善に関するガイドラインの柱

▽一次売差マイナスの解消に向けた適切な仕切価設定
▽早期妥結と単品単価取引の推進
▽過大な値引き交渉の是正

単品単価取引は「原則、全品目で進める」とし、単品単価契約の割合を毎年高めていくことを要請。医薬品の価値や流通コストを無視した値引き交渉は慎むことも明記しました。
ガイドラインの実効性を担保するため、厚労省内に流通関係者からの相談を受け付ける窓口が設置され、15件の相談が寄せられています。ガイドラインが守られていない事例は流改懇に報告するほか、厚労省のサイトでも公表。場合によっては厚労省が指導を行うことになります。
さらに、診療報酬・調剤報酬での対応も行います。未妥結減算制度で「単品単価取引の割合」や「一律値引き契約の状況」の報告を求め、報告を行わなかった場合には減算の対象とする方向です。薬価や調剤報酬の引き下げなどを背景に、医薬品流通をめぐる環境は厳しさを増していきそうです。

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田代 千夏

前職は医療業界商社の営業として勤務しておりました。その後、医師・薬剤師の転職支援を経て、現在は開業支援を担当しております。得意エリアは九州・中四国です。フットワークの軽さには自信があります。いつでもお声かけください!

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