【オンライン服薬指導】全国解禁へ!?

2018-12-31

オンライン服薬指導はこれまで国家戦略特区に限り運用されてきましたが、先日まとめられた医薬品医療機器法改正に向けた報告書では、オンライン服薬指導について、全国への拡大が盛り込まれています。

【オンライン服薬指導】全国解禁へ!?

オンライン服薬指導の現状

オンライン服薬指導は、規制改革実施計画、骨太方針2018、未来投資戦略2018に、薬機法改正の必要性も踏まえ「ユーザー目線で、現状をさらに前進させる取り組みを進める」ことが明記されていました。これまでは、特区内で実証的な取り組みとして、遠隔診療が行われ、対面で服薬指導ができないような、離島・へき地に居住する患者に限定して行われてきました。福岡県福岡市、愛知県、兵庫県養父市で実証事業の実施計画が認定され、21薬局が登録されましたが、実際には2018年11月時点で6人の患者に実施するにとどまっています。

厚労省は、テレビ電話などを活用して適切な服薬指導が行われると考えられる場合を法令上「対面服薬指導義務の例外」に位置付けました。具体的な例外規定については、オンライン診療の適切な実施に関する指針を参考に特区の実証を踏まえたルールの整備を提案し、対面の補完であることを明確化するほか、緊急時の対応や服薬計画を策定することなどを求める考えを示しました。また、現行の薬機法では薬局や患者宅でしか調剤や服薬指導を行えませんが、オンライン診療との整合性を図り、職場などを含めることも提案しています。

オンライン服薬指導のメリット

オンライン服薬指導は患者にとってどのようなメリットがあるでしょうか。
・薬を取りに行けない病状、環境でも服薬指導が受けられる
・履歴が残る
・断続的な服薬指導を受けられる

処方箋を出すときは、誤使用による重篤な副作用を避けるため、対面による服薬指導を義務付けています。このため、患者は調剤薬局を訪ねるか、薬剤師に自宅に来てもらうしかありませんでした。オンライン服薬指導が認められれば、患者にとっては手軽に服薬指導を受けることができるのが最大のメリットです。そのため、治療を自ら中断してしまう患者を減らし、重症化の進行を抑えることで、医療費の削減に繋がる可能性があります。

オンライン服薬指導の問題点

オンライン服薬指導について、懸念されている点について考えてみましょう。
・患者がシステムを使いこなせない
・十分な情報提供ができない可能性がある
・人気の薬局、薬剤師に患者が集中して競争が激化する


課題の一つ目は容易に想像できることですが、新しい端末やシステムを使い慣れない高齢者や、認知症などの患者さんに、どう対応するかという点です。二つ目の点については、厚生労働省の制度部会でも議論になっており、「薬局対面でということでも十分情報提供できていない状況にある中で時期尚早ではないか」という意見もありました。オンライン診療、服薬指導はあくまで対面の補完だという位置付けで、運用については慎重な姿勢です。三つ目の点については、オンライン診療導入の際にも医療関係者が難色を示した経緯があり、医療関係者がオンライン化を忌避する要因となっています。

オンライン服薬指導の導入と薬局への影響

オンライン服薬指導については、様々な議論が尽くされている訳ですが、実際の現場レベルではどのような影響があるでしょうか?

オンライン医療は
①患者がスマートフォンなどの画面上で医師の診察を受ける
②医師が処方箋を調剤薬局に送る
③薬剤師が処方箋を基にテレビ電話などで服薬指導する
④患者が郵送などで薬を受け取る
というような流れになります。

薬局内では服薬指導をした後、調剤した薬を届けなければいけないという点が負担になるように感じます。温度や湿度の品質管理はどのように行うのか、既存の流通で対応が可能なのか、配送コストは薬局が負担するのか、など検討が必要な部分は多くあります。

また、オンライン医療が進めば「かかりつけ薬局・かかりつけ薬剤師」としての役割もより一層重要なものになります。オンライン診療を行う医師が院内調剤へ切り替えるのではないか・・・と危惧される声が聞こえますが、かかりつけ医といっても全ての診療科をカバーすることは難しいですし、院内で多種多様な薬品在庫を抱えて対応することは現実的には難しいと思います。一方で薬局は多種多様な処方箋に対応できる体制作りが必要かもしれません。

複数の診療科を受診している患者こそ、かかりつけ薬剤師の存在が必要です。薬は全てかかりつけ薬局からもらうようにすれば、薬剤師から重複している薬や相互作用をチェックしてもらうことができます。かかりつけ医とかかりつけ薬剤師の連携が益々重要なものになります。オンライン診療の普及はまだまだですが、門前医師との連携だけでなく、かかりつけ薬局として生き残るためには、周辺の医療・介護施設との連携が必要になっていくのではないでしょうか。

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田代 千夏

前職は医療業界商社の営業として勤務しておりました。その後、医師・薬剤師の転職支援を経て、現在は開業支援を担当しております。得意エリアは九州・中四国です。フットワークの軽さには自信があります。いつでもお声かけください!

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