日本の医薬品市場はマイナス成長!?

2018-03-28

市場調査会社のIQVIAより、日本の医療用医薬品市場は今後、主要国で唯一のマイナス成長になるという予測が発表されました。世界の市場と比較しても成長率が著しく低下しています。日本の医薬品市場マイナス成長の原因とその影響について考えていきます。

日本の医薬品市場はマイナス成長!?

世界の医薬品市場と日本の医薬品市場

市場調査会社のIQVIAが作成したリポートで、日本の医療用医薬品市場は今後、主要国で唯一のマイナス成長になるという予測が発表されました。

医療用医薬品市場の拡大は世界的にも緩やかになっていく見通しで、2013年~2017年の全世界の年平均成長率は6.2%だったのに対し2018年~2022年は3~6%の予測。主要国をみても米国:7.3%→4~7%、欧州5カ国(独・仏・伊・英・西):4.4%→1~4%、中国:9.4%→5~8%と各国ともに年平均成長率は鈍くなっています。これまでの市場拡大の速度にブレーキがかかるとはいえ、市場拡大傾向にあることには変わりありません。

しかしながら、日本では2.0%→▲3~0%というマイナス成長率の予測。世界と比較すると少し異常な数値にも感じてしまいます。なぜ、日本はマイナス成長の可能性を示唆されているのでしょうか?
この予測には薬価制度改革が大きく影響をしているようです。

日本の医薬品市場が縮小していく原因は?

2018年4月に行われる薬価改定では、薬剤費ベースで7.5%の引き下げとなることが決まっています。この7.5%という数値を金額にすると7,200億円に相当します。つまり、薬価改定により市場から7,200億円が消えてしまうということです。市場実勢価格に基づく引き下げは薬剤費ベースで6.2%、これは約6,000億円に相当し、薬価制度の抜本改革による引き下げ1.3%は約1,200億円に相当します。
金額に換算してみると2018年から実施される薬価制度の抜本改革は、過去の制度改革と比べても、大きな影響を与えることになりそうです。

医療用医薬品市場は世界的にも減速傾向で、「予算に関する保険者の懸念や、(薬剤の)価値を判断するための新たな仕組み」が影響すると分析されています。薬価制度改革が進む日本はその象徴的存在であり、22年までのマイナス~ゼロ成長を生む最大要因と言えるでしょう。

後発品のない新薬の薬価を維持する「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」は、対象品目を大幅に絞り込み、加算を満額得られる企業を全体の25%に限定。長期収載品は、収載から10年がたった一部の品目を、後発医薬品の薬価まで段階的に引き下げます。適応拡大で売り上げが増えた医薬品は、年4回の新薬の薬価収載のタイミングで薬価を見直すことになりました。「国民皆保険とイノベーションの両立」を基本方針として掲げつつも、改革は引き下げの方向が目立ちます。

医薬品市場縮小の影響

市場環境の悪化を見越して、製薬各社は事業構造の改革を急いでいます。
ここ数年、活発になっているのは新薬メーカーによる長期収載品の切り離しです。国内の製薬企業は、新薬に集中する企業と、長期収載品と後発品からなる特許切れ薬を扱う企業とに二極化する傾向が強まっています。
さらに、生き残りへのカギとなるのは、やはり「選択と集中」と「海外展開」でしょう。今回の薬価制度改革を受け、こうした流れは一層加速していくことになります。

医薬品産業強化総合戦略では「新薬が創出できなかったメーカーは事業転換も迫られる」とし、M&Aによる規模拡大も論点として示されました。今回の薬価制度改革により、合併を現実的な問題として検討せざるを得ない企業も出てくるかもしれません。
2018年は日本の製薬業界にとっても、大きな転換点となる1年になりそうです。

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田代 千夏

前職は医療業界商社の営業として勤務しておりました。その後、医師・薬剤師の転職支援を経て、現在は開業支援を担当しております。得意エリアは九州・中四国です。フットワークの軽さには自信があります。いつでもお声かけください!

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