調剤薬局の従業員一人当たりの労働生産性は?

2019-03-22

「日本は世界の先進国の中でも生産性が最下位」というフレーズを聞いたことがあるのではないでしょうか?生産性という言葉を聞いたことがあっても、いまいちピンとこない方もいるのではないでしょうか。まずは基本的な理解をしていきましょう。

調剤薬局の従業員一人当たりの労働生産性は?

労働生産性とは?

「日本は世界の先進国の中でも生産性が最下位」というフレーズを聞いたことがあるのではないでしょうか?働き方改革、QOLの向上が求められる世の中になり、調剤薬局業界も生産性を高めることは必要不可欠なことではないでしょうか。今回は生産性について説明していきたいと思います。

まずは生産性について理解していきましょう。生産性の種類の中で最もよく使われるのが、労働から見た生産性、つまり労働生産性です。労働生産性は最も単純な式で表すと、以下の通りになります。

労働生産性 = 産出(Output) / 投入(Input)

どれだけの資源を投入して、どれだけの成果を生み出せたかを表しています。労働生産性は更に「物的労働生産性」と「付加価値労働生産性」の2種類があります。生産するものの大きさ、重さ、個数といった物量を単位として測定する生産性を「物的労働生産性」、生産物が売れた際に企業に入ってくる金額ベースの付加価値を単位とする生産性を「付加価値労働生産性」といいます。

今回、調剤薬局の生産性の計算は、「付加価値労働生産性」をベースに考えていきます。

労働生産性を計算してみよう!

「付加価値労働生産性」の計算方法は以下の通りです。

付加価値労働生産性 = 付加価値 / 労働量

厚生労働省では付加価値を次のように定めています。

付加価値=(営業利益+人件費+動産・不動産賃料+租税公課)

今回は計算がしやすいように、単純に粗利(売上総利益)を付加価値として考えていきます。

労働量は、従業員一人当たりの生産性であれば平均従業員数、時間当たりの生産性であれば労働時間を当てはめていきます。

以下の例を考えて見ましょう。


       *

A薬局
売上高 1億円
粗利  2,800万円

従業員
管理薬剤師 1名
勤務薬剤師 1名
正社員事務員2名
単純に一人あたり160時間/月の勤務と仮定。

       *

従業員一人当たりの労働生産性

粗利2,800万円 / 従業員数(4名)
=700万円/年

従業員一時間あたりの労働生産性

粗利(2,800万円) / 総労働時間(160時間×4人×12ヶ月)
=3645円/時間

実際にご自身の薬局の労働生産性も計算してみてください。

薬局事業を行う中小規模法人の労働生産性

次に調剤薬局事業を行っている中小規模の法人の労働生産性を見てみましょう。実績は平成30年版TKC経営指標を参考にしています。

対象法人数   1,587社(全て黒字の法人)
売上高平均   約3億9355万円
限界利益率平均 35.1%
売上総利益平均 ※約1億3813万円
従業員数    17.3人

※売上高と限界利益率より計算。正確には売上総利益と限界利益は違いますが、単純に計算する為に上記のように計算しています。

従業員一人当たりの労働生産性

粗利(1億3,813万円) / 従業員数(17.3名)
=約798万円


中小規模の法人の従業員一人当たりの労働生産性は約798万円となります。労働時間を単純に160時間/月と仮定すると時間当たり労働生産性は約4,156円です。自社の労働生産性をチェックする際に何を基準にしてよいか分からない方は、まずはこの数値を目標にしてみてはいかがでしょうか。

労働生産性を知ることで

労働生産性を向上させる手段は2つ、今と同じ労働時間で利益を上げる(付加価値の向上)か、今と同じ利益で労働時間を削減(効率の向上)するかです。経済産業省より以下のようなガイドラインが発表されています。

生産性向上の手法

生産性向上の手法

労働生産性を意識すると、無駄な作業の削減や見直し、効率の良い働き方を考えるようになるはずです。そうすると無駄な残業が減り、従業員のQOL向上につながりますし、余った資源(時間や資金)を患者様に還元することができます。一度、時間当たりの労働生産性まで落とし込んで自社を分析し、生産性の改善を意識してみてはいかがでしょうか?

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照井 雄大

CBグループに入社後、医師の人材紹介を経て、現在開業支援に携わっています。理系の大学出身ということもあり、決算書類等の数字を見ることが好きです。その力を活かして、お客様に説得力と安心感のあるご提案を心がけています。

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