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年次有給休暇の時季指定義務化への準備は済まれていますか?

2019-01-18

働き方改革関連法が可決・成立され、2019年4月より順次施行されていきます。その中でも年次有給休暇の義務化について、頭を悩ませている経営者の方が多くいらっしゃいます。本コラムでは年次有給義務化の義務化についての制度内容と対策について考えてみたいと思います。

年次有給休暇の時季指定義務化への準備は済まれていますか?

年次有給休暇についての理解

まずは、年次有給休暇の制度自体について振り返ってみます。

労働基準法第39条 使用者は、その雇入れの日から起算して6箇月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した10労働日の有給休暇を与えなければならない。

と定められています。
また、1週間の所定労働日数が4日以下かつ所定労働時間が30時間未満の労働者、または1年間の所定労働日数が48日以上216日以下かつ所定労働時間が30時間未満の労働者については、その労働日数に比例した年次有給休暇が与えられると同条文では記載されており(年次有給休暇の比例付与)パートタイムなどの非正規社員にも年次有給化の権利は付与されます。

有給休暇を含む休暇に関する規定は、就業規則の絶対的必要記載事項であり、雇用者と結ぶ労働契約についても絶対的明示事項と規定されています。

年次有給休暇の義務化について

前項で記したとおり、有給休暇は法律上当然に労働者に生ずる権利であるものの、諸外国に比べて日本の有給取得率は非常に低い水準であることが問題視されています。こうしたことが長時間労働の要因の一つとして考えられており、健康を損なったり、精神疾患や過労死の原因であるとも考えられています。そこで、政府は働き方改革関連法を制定するに至ったという訳です。

その働き方改革関連法案で注目を浴びているの年次有給休暇の義務化です。
今回の改正で39条には以下の内容が追加されました。

年に10日以上の有給休暇の権利を付与した労働者に対し、そのうち5日間は基準日から1年以内に、労働者ごとに時季を定めて取得させなければいけない。

今までは、社員からの申請や要望が無ければ1日も有給化を取得させる必要が無かった訳ですが、本改正によって最低5日は年次有給休暇を取得させることが義務化された訳です。
また、本改正は『義務化』ですので罰則規定もあります。仮に有給休暇を規定日数取得させることができない場合は、労働基準法違反となり、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金が課せられることになります。併せて、書類送検をされてしまった場合はハローワークへの求人掲載や助成金を受けることができなくなるなどの弊害が生じる事も理解しておく必要があります。

年次有給休暇の義務化で抑えておきたいポイント

対象となるのは正社員だけではない

今改正で対象となるのは年に10日以上の有給休暇の権利を付与した労働者です。最初のトピックスでお伝えした通り、非正規雇用の労働者にも年次有給休暇は発生します。
実際に10日以上の有給休暇が発生する非正規雇用者としては

・週30時間以上勤務の非正規雇用者・・入社後6か月
・週4日出勤の非正規雇用者・・・入社後3年半以上
・週3日出勤の非正規雇用者・・・入社後5年半以上

上記が、対象となり得ます。注)個別労働条件や各社就業規則によって異なる
ちなみに、週2日以下の非正規雇用者は有給休暇の権利は最大でも年7日の為、本改正法の対象となりません。

分割や買取は可能なのか

これはそもそもの年次有給休暇制度上の問題になりますが、結論から先にお伝えすると原則は出来ません。原則は、という点に関して、分割に関しては労使協定を締結することによって年に5日を限度として時間単位で有給休暇を与えることができるとされえています。(労働基準法39条4項)

また、買い取りに関しては退職時など例外的なケースの時に買い取りをすることは可能です。ただし、あくまでも未消化分の買い取であるため、本改正による有給休暇の義務化に対してはそぐわないと考えるのが妥当でしょう。

繁忙期を避ける為の時季変更権

こちらも年次有給休暇制度上話ですが、労働基準法39条5項には「請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。」と明記されています。
よって本改正においても、年次有給休暇の時季指定義務とされており、何でもかんでも雇用者からの申請を受けるのでなく、前持った準備のもとで計画的な有給休暇取得を目的とされています。

年次有給休暇の義務化に向けての対策

最後に、年次有給休暇の義務化に向けての仕組みづくりについて考えてみたいと思います。
労働者が有給休暇取得をためらう理由として「職場に負担がかかるから」や「後で多忙になるから」という声が多数を占めます。また、経営者目線から考えれば、人手不足の中、従業員の休みが増える事で業務に支障をきたす可能性があると考えられていると思います。

では、どうすれば有給休暇が取得しやすい環境を作れるのか。それは『余裕のある人員体制』ではないでしょうか。『余裕のある人員体制』と言われると、単に人数を増やすと考えがちです。もちろん、頭数を増やすことも間違いではありませんが、一人が休んでも問題がない運営体制を考えることをお勧めします。具体的には、一人一人のスキルアップや業務の効率化や一般化、ある程度の人数を抱える店舗であればグループ体制をひいて業務の共有をして、お互いがカバーできるような体制づくりをおこなうことも一つだと思います。上記を実行する事は、有給休暇取得率を高めるだけでなく、企業自体の生産性を高めることにも直結するはずです。

誰かが休んだら業務支障をきたすという状態は、緊急事態への対応性や、働きやすい環境とは程遠い職場になってしまっているのではないでしょうか。そういった職場へ進んで就業したいと考える人はいないと思います。今回の法改定を機として、職場環境改善への取り組みをしてみてはいかがでしょうか。職場環境が改善されることで社員のモチベーション、生産性の向上、また離職率低下も期待出来ます。ひいては企業力の向上にも繋がるはずです。

改めて、社員のワークライフバランス改善への取り組みとして、本改定である「年次有給休暇の義務化」であると捉え、御社の更なる飛躍のひとつとなることを心よりお祈り申し上げます。

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黒澤 俊貴

新卒で某カー用品店にて勤務をしておりました。 転職で前身のCBキャリアへ入社し、薬剤師の転職支援に携わって参りました。現在は薬局の個人承継に従事しています。タイヤ交換と薬剤師採用については私にお任せください!

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